2019年4月。
新学期のスタートを機に、YさんとD君という2人の
1年生が入会したことで、悠真塾の毎日はにわかに
忙しく、そして賑やかなものになりました。
ご自身が教育関係の専門家でいらっしゃるYさんの
お母様は度々、
「この教室のコンセプトとプログラムは本当に素晴ら
しい!」
と言ってくださり、
5月の教室移転により遠くなってしまった後も、外部
の送迎サービスを依頼してYさんの週2〜3回
ペースでの通塾を続けてくださりました。
やはり、教室移転により学校から遠くなってしまった
D君は、子どもの足で30分近くもかかる道のりを、
毎日一人でトコトコ歩いて通ってくれました。
2人はとても素直で活発な1年生で、
教室の中で様々な遊びを見つけ出しては楽しんでい
ました。
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そのような楽しい「場」ができると人が人を引き寄せ
るのでしょうか?その後続々と会員が増えていき、
夏を迎える頃には悠真塾の会員は10名を超える
までになりました。
毎日のプログラムは、娘のHと約1年間続けてきた
のと同じく、30分の「ゆる体操」から始まります。
「小学生の子どもが、果たしてゆる体操を素直にや
ってくれるのだろうか・・・?」
ということが、当初もっていた大きな懸案のひとつで
したが、
実際のところ、ゆる体操の受け入れ方は子どもによ
って様々です。
1年生のYさんは始めた当初から、
「ゆる体操をやるとすっきりして勉強に集中できる
の。だからいつも家でもやってるよ」
という嬉しい感想を聞かせてくれましたが、
それは1年生としてはどちらかというとレアなケースで、
大抵の1年生は、「寝ゆる」の時にじっとしていられ
ず立ち歩いたりふざけたり、静かに取り組んでいる
なと思って見たら寝ていたり、ずっと「手遊び」を続
けたり・・・といった取り組みとなります。
この時期の会員ではありませんが、中には
「ぼく、こんなヘンな体操やりたくないよ・・」
とはっきり嫌がる1年生もいました。
それでも高学年の子どもと共に毎回30分、
「ゆる体操」が行われている場にいると、そんな子
どもたちもだんだん体操に参加するようになり、
だんだん「満更でもない」様子を示すようになり、
そしてだんだんゆる体操が好きになっていきます。
高学年になると落ち着きは増す一方、ゆる体操の
動きや声を出すことを恥ずかしがったり、斜に構える
ような傾向が出始めますが、
これもしばらく続けると受け入れるようになります。
前年の暮れに小5で入会したH君は当初、恥ずか
しさからあまり積極的に取り組めていませんでしたが、
1カ月もしないうちに
「からだがすっきりして気持ちいい」
「姿勢がまっすぐになった気がする」
といったポジティブな感想をくれるようになりました。
ゆる体操の後に行う自主学習の内容は子どもによ
って様々です。
学校の宿題が終わっていない子はまずここで終わら
せる
というのが悠真塾のルールですが、
その後は親御さんの用意した教材類に取り組んだり、
塾や公文の課題に取り組んだり、あるいは教室の本棚
に並べられた本を片っ端から読んだり・・・。
夏休み前から小6のお兄さんと共に悠真塾に通い始め
た小3のY君はこの自習の時間を公文の宿題に取り組
む時間と決めていて、
「ここだとなぜか勉強がはかどる。公文の宿題が早く終
わるからスッキリする」
と喜んでいました。
教室の本では
「10歳までに読みたい世界名作&日本名作」
「学校では教えてくれない大切なこと」
のシリーズが特に子どもたちに人気で、
読書好きなD君は2年生になるくらいまでの間に、
教室に置いてある全巻を読んでしまいました。
こんな、子どもたちに囲まれた賑やかな毎日を送って
いるうちに2019年はあっという間に過ぎ、
2020年に入ると間もなく、世の中は「コロナ禍」に
入っていきます。
そして3月。
新型コロナウィルスの感染拡大により、
政府は急遽、全国の小・中・高校を休校とする措置
をとりました。
そのような中悠真塾は、子どもたちの「学校に代わ
る場」になれればという思いで、
平日13時30分から19時に時間延長した
「春季特別教室」
を開催し、
10名の子どもたちと1カ月間、たっぷりと学び、運動
し、そして楽しみました。
勉強では、個別の自習の他に、
皆で「雨ニモマケズ」等、宮沢賢治の詩の暗唱に挑戦
したり、イギリスの小学生の教科書を使って英語の練
習をしたり、開校時メンバーのEさんに助手になって
もらいながらそろばんの基本を勉強したり
・・・と、皆で同じ課題に取り組む時間も充実させました。
また、ゆる体操以外にも色々な運動を行い、外遊びが
できない子どもたちが“発散”できる時間を確保しました。
中でも全員で行った「ドッチボールリーグ戦」は大人気
で、今でも子どもたちの思い出に残っているようです。
社会全体が急速に、不安の感情に包まれていく中、
まるで別世界のような、子どもたちの笑顔で満たされ
た教室の空気を噛みしめながら、
自分はそもそも、
こういう「場」を、作りたかったんだよな
・・・と実感したのを覚えています。
https://www.instagram.com/p/CAPgPqmA8m6/?utm_source=ig_web_copy_link
思えばこの時が、
神楽坂悠真塾の「第一期の黄金時代」だったのだと思い
ます。
<以下、(6)につづく>
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