「強くなること」と「やさしくなること」

娘と息子には物心ついた頃から「強くてやさしい人になるんだぞ」ということを繰り返し話しています。
小さい頃からこの「強くなること」「やさしくなること」を意識させるのには私なりの考えがあります。

「強くなること」を意識することはやがて「高い能力を身に付けるよう努める」ことにつながり、
「やさしくなること」を意識することはやがて「高い人間性を身に付けるよう努める」ことにつながると、私は考えています。

また、「能力」は、人生を歩んでいく上での推進力の強さに深く影響し、「人間性」は進む方向性の選択に深く影響する、とも考えています。

だからこの「強さ」と「やさしさ」を幼少のころから意識し、正しく育てていけば、自分自身が快適で、人からも社会からも必要とされる幸福な人生を送れるようになるのではないか…と思っています。

悠真塾の提唱する「根本のチカラ」を、一般的な言葉でわかりやすく説明するとこのようになり、それを実現させる中心的な方法論が「ゆる体操」、ということになります。

娘が保育園に通っていた頃、送りの道すがら、よくこんな話をしました。

「●●(娘の名前)は恵まれてるんだぞ。パパが先生だからこんなに小さいときからゆる体操を習えて。ゆる体操が上手になったらかけっこも早くなるしお絵かきも上手になるし、何でもできるようになるんだよ」

「じゃあぬり絵も?」

「ぬり絵だってもちろん上手になるさ。でもね、色んなことができるようになっても、それだけじゃだめなんだぞ」

「……」

「色んなことが上手にできるけど、お友だちに『わたしはすごいんだぞ!』っていばる子ってどう思う?」

「やだ」

「やだよな。だから色んなことができるようになって強くなるだけじゃなくて、やさしくならなきゃいけないんだ。できなくて困っている人がいたら助けてあげるような人にならなきゃいけないんだ」

家庭でも、小学生になってからは悠真塾でも、「ゆる」の考え方に基づいた教育、子育てを続けたところ、娘は勉強や運動、図画、ピアノ、合唱等、様々な方面で力を発揮し始めました。

昨日は「クラスの縄跳びコンテストで優勝したよ!」と嬉しそうに話していました。

私は親として、順調に育っていることを喜びつつ、もう一方の「やさしさ」を忘れることがないよう、引き続き事あるごとに話をしています。

この「強さ」と「やさしさ」の考え方はもちろん、悠真塾の子どもたちにも話しています。

伝える機会は、空手の稽古が終わった後の道場訓の時間。

我が身を振り返り、人に「心」を説くのは恥ずかしい…などとかつては思っていましたが、子どもたちを前にしてはそのようなことも言っていられません。

自分が体験を通し、自信をもって伝えることができることだけを話しているのですが、現段階では会員の親御様方にご理解・共感をいただけているようです。

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