先日、本屋さんでふと目に留まり、
「10年後の仕事図鑑」(堀江貴文・落合陽一著)
という本を購入しました。
「AIの進歩によってなくなる仕事・伸びる仕事」というのが一つのテーマですが、
「これからはこのような仕事がなくなり、このような仕事の需要が高まると思われるので今からこのようなスキルを身に着けて準備をするべき・・・」
ということを指南する本ではなく、
「未来のことは誰にもわからない」
というスタンスを前提に、
AIの進歩によって、少なくとも激変することは間違いのない近い将来の社会における「生き方」について、堀江・落合両氏がかなり本質に踏み込んで語り合った内容をまとめた本です。
私にとっては非常に共感できる部分も多くあり、また一方、考え方以前の前提から私とは異なると感じられる部分もある、いずれにせよとても興味深い本でした。
以下、この本の内容を踏まえての、私の考えです。
AIの台頭により、現在人間が行っている仕事の中で「機械が行った方が合理的」と思われる仕事はどんどん機械にとって変わられることでしょう。
その動きが究極まで進められたとして、それでも尚且つ、「人間でなければできない仕事」は残るはずです。
例えば、
AIの能力がどこまで進んでも、その能力を我々人間の生活にどのように役立てるのかを考える仕事は、人間にしかできないでしょうし、
企業の管理職社員の行うマネジメント業務はかなりの部分、AIに代替できそうですが、メンバーの心を理解し、やる気を引き出すことは人間にしかできません。
また、例えば私は使い込むほどに味わいの増す革製品が好きですが、AIによって製造された、機能的に優れていて尚且つ安価な製品よりも、「味わい」や「温もり」を感じさせるハンドメイドの製品を選ぶ人も少なからずいることでしょう。それはサービスについても同様です。
そして、技術も価値観も目まぐるしく変化し、
「一流大学を出て一流企業に入社したら一生安泰」
という考え方が益々通用しなくなる今後の世の中における「必要なチカラ」ということで考えるならばまず、
「自分の人生の進み方を自分で考え、決め、行動していく」
チカラが求められると思われますが、その基本になるのは、自分の「好きなこと」を自ら見つけ出し、そのことに情熱をかけて取り組んで深めていくことのできるバイタリティではないかと思います。
そのように考えると、AIの台頭する今後の世の中においてますます必要とされるのはむしろ“人間らしい”チカラではないかという気がします。
人間らしい経験の積み重ねによって育まれた、人間らしい感性・人間らしい感情・人間らしい能力・人間らしい魅力・・・・・。
そしてそれはそのまま、悠真塾の提唱する「根本のチカラ」の意味するところでもあります。
悠真塾の指導方針として、
「ゆる体操」の理論やメソッドを全面的に導入しているのも、
運動でも勉強でも、競争や目標管理よりも本人の「楽しい」という気持ちを重視するのも、
タブレットなどのデジタル機器を使わない「紙の勉強」「鉛筆で書く勉強」にこだわるのも、
全て、“人間らしい”チカラを育てるための方法として、それが現時点で最善であると思われるからです。
このコンセプトは元々、
「子どもが幸せな人生を送るためにどのようなチカラが必要か?」
という観点から考えた結果生まれたものですが、
今回、「AIの台頭」という切り口から未来の環境を想像してみて改めて、この方向性に対しての確信を強めることができました。
今後も日々、研究と現場でのチャレンジを繰り返し、より洗練された「方法」を追求していきたいと思っています。
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